すべてを失ったアーサーは、スカウトを受けたマレー・フランクリンの番組に出演するため、髪を緑色に染め上げます。
ゴッサム・シティでは、貧困層の人々が上流階級のビジネスマンたちを射殺した謎のピエロ(アーサー)を英雄視し、あちこちでデモを起こしていました。
トークショーの出演当日、母ペニーの死を聞いて元同僚のランドルとゲイリーが自宅を訪ねてきます。
かつて自分を裏切ったランドルを殺害し、唯一自分に優しくしてくれたゲイリーを見逃して返しました。
その後、ビジネスマン殺害の事情聴取にやってきた警察から逃れ、トークショー番組にスタジオに向かいました。
アーサーは、番組開始前に楽屋を訪れた司会者のマレーに「本名のアーサーではなく”ジョーカー”と紹介してくれ」と頼みます。
アーサーはついに”混沌の代理人”ジョーカーとして生まれ変わったのでした。
番組でビジネスマンたちを殺害したのは自分だと告白し、自分を笑いものにしようとしていたマレーを拳銃で射殺。
その模様をテレビで生中継でみた貧困層の市民たちは、一層興奮し暴徒化していきました。
混乱する街から逃れようとするトーマス・ウェインは、ピエロの仮面をかぶった暴漢に襲われ妻とともに殺害されてしまいます。
そこには幼いブルース・ウェインが立ち尽くしていました…
ラストシーン
アーサーは連行されるパトカーの中で、混沌とする街の様子を見て満足そうにします。
そのパトカーに救急車が衝突し、ジョーカーは支持者たちに助け出されます。
ジョーカーは車のボンネットに立ち、多くのピエロたちが彼を英雄として喝さいを送るのでした。
ラストシーン、ジョーカーはアーカム州立病院に収容され、カウンセリングを受けています。
突然笑いの発作がでるジョーカーに、カウンセラーが怪訝そうに理由を尋ねます。
ジョーカーは「いいジョークを思いついたんだ。君には理解できないだろうけど」と言い放ちます。
その後、ジョーカーは血まみれの足跡を残しながら、軽快な足取りで去っていきました。
映画「ジョーカー」のラストシーンの意味を考察
ラストシーンで、ジョーカーはなぜアーカム州立病院にいたのでしょうか。
パトカーから救い出された後、結局再び警察に捕まってしまった、と考えられますが、いくつか説明できない疑問点があります。
ジョーカーがジョークを思いついたと言った場面で、倒れている両親の間に立つブルース・ウェインの姿が映し出されます。
なぜジョーカーは現場にいなかったのに、そのシーンを思い返していたのでしょうか。
また、ジョーカーの髪の色がトレードマークである緑ではなく黒に戻っているのも不自然です。
ファンの間で語られた1つの説は、「作品の中で語られたのはすべてジョーカーが思いついたジョークだった」という説です。
映画「ダークナイト」で、ジョーカーは自分が殺す相手に、自分の生い立ちや口が裂けている理由を話すという習慣がありましたが、その内容は毎回異なるという”ジョーク”でした。
今回もカウンセラーに「いいジョークを思いついた」と言ってることから、本作の話もすべて”ジョーク”だったという解釈です。
ただ、夢オチのような話になってしまうので、受け入れがたい人も大勢いると思います。
アーサーへの薬の支給が打ち切られた物語後半からすべて妄想だ、という説もありますね。
次に、バットマンファンなら気づいたと思われる、アーサーとブルース・ウェインとの年齢差です。
これまでの作品ではバットマンとジョーカーは同じくらいの年齢で描かれることが多かったのですが、本作では親子ほどの年齢差があります。
そのため、アーサーはジョーカー自身ではなく、後にジョーカーとなる人間を覚醒させた人物ではないか、という説あります。
さまざまな説がありますが、トッド・フィリップス監督は否定も肯定もせず、いずれ本作で描いた謎の答えをすべて明らかにするつもりだそうです。
その日が待ちきれませんね!