- 『夜は短し歩けよ乙女』2017/日本/監督:湯浅政明/92分
- 『ミッドナイト・イン・パリ』2011/アメリカ/監督:ウディ・アレン/94分<Netflix><Amazon>
- 『ドライヴ』2011/アメリカ/監督:ニコラス・ウィンディング・レフン/100分
- 『スナッチ』2000/イギリス・アメリカ/監督:ガイ・リッチー/102分
- 『スタンド・バイ・ミー』1986/アメリカ/監督:ロブ・ライナー/89分
- 『グッバイ、サマー』2015/フランス/監督:ミシェル・ゴンドリー/103分
- 『はじまりのうた』2013/アメリカ/監督:ジョン・カーニー/104分
- 『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』1986/アメリカ/監督:フランク・オズ/93分
『夜は短し歩けよ乙女』2017/日本/監督:湯浅政明/92分
サークルの後輩“黒髪の乙女”に恋している主人公が、「なるべく彼女の目に止まる=ナカメ」作戦と称して彼女の周りをウロウロする。
原作は森見登美彦のベストセラー小説。
キャラクター原案は、人気イラストレーターの中村佑介、脚本は劇団「ヨーロッパ企画」の上田誠。
そして、主人公の声は星野源という話題性盛りだくさんのアニメ映画。
彼女は先輩のアプローチに全く気がつかず、夜の街を歩き回り、行く先々で酒を飲むマイペースぶり。
レトロモダンな喫茶店や古本市、鴨川、学園祭などの京都リアル風景をバックに、奇妙な人たちが次々登場し、摩訶不思議な世界が繰り広げられる。
原作では1年間の物語を一晩の出来事にしてしまう力技。
ナカメ作戦はストーカーでは?いやいや、これは昭和的純愛なんです。
清楚な外見で怖い者知らず、しかも底なしの酒豪というギャップ萌え。
観終わった後は京都を旅したような気分になり、そして朝までハシゴ酒をしたくなるので要注意です。
『ミッドナイト・イン・パリ』2011/アメリカ/監督:ウディ・アレン/94分<Netflix><Amazon>
夜中にパリの街を歩いていた脚本家の主人公が、車から現れた男女に誘われて連れて行かれたのは、彼が愛して止まない1920年代のパリだった。
ジャン・コクトー、F・スコット・フィッツジェラルド、アーネスト・ヘミングウェイ、パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリ。
そんな著名作家や芸術家たちに会えて舞い上がった彼は、憧れの人に思わず自分の悩みを打ち明けてしまう。
実はその時、彼は「本当は小説家になりたいが、処女作がうまく書けない」「婚約者と相性が合わない気がする」と悶々としていたのだ。
誰でも彼のような人生の岐路に立つことはあります。
このタイムトリップが彼にどんな影響を与えるのか、それが見どころ。
“時代”って何だろう?現在が退屈で過去が黄金時代に見えるのは、ここではないどこかへ行きたいから。
古き良きパリに酔いながら、今を生きるためのヒントがもらえるかも。
『ドライヴ』2011/アメリカ/監督:ニコラス・ウィンディング・レフン/100分
昼は自動車修理工やカースタントマンで夜は逃がし屋。
そんな2つの顔を持つ主人公が、同じアパートに住む人妻と惹かれあうが、ある日刑務所から彼女の夫が戻ってくる。
主演ライアン・ゴズリングの出世作にして代表作。
夢も希望もなく、お金のために逃がし屋という危険な仕事をしている男が、ダメ夫のとばっちりを受けながら小さな子供を抱えて生きている健気な女性と出会い、孤独な心に小さな灯がともる。
でも近づいちゃいけない、そう自分に言い聞かせるゴズリング。
なんといってもグッとくるのは、その灯が炎となってメラメラと燃え上がっていく様子が、淡々と静かに描かれているところです。
だって彼は寡黙で、言葉よりも行動で愛を示す男。
幸せになるには不器用すぎる。
彼女との距離が縮まる駐車場のシーン、そして衝撃のキスシーンは、ドキドキする名シーンとして語り継がれるでしょう。
このシーンがあるだけでも観る価値あり。
『スナッチ』2000/イギリス・アメリカ/監督:ガイ・リッチー/102分
ダイヤモンドを盗み出した強盗団が、ニューヨークへ盗品を届ける途中ロンドンに寄るが、その陰では密かに裏切りが進行していた。
ストーリーは、「スナッチ(強奪する)」というタイトルそのまま。
ポスターで目立っているブラッド・ピットは期待するほど出番がないものの、出てきたら出てきたでスターのオーラ出まくりのインパクト。
当時人気上昇中だったベニチオ・デル・トロもカッコイイ。
一見関係なさそうな登場人物たちがじわじわとつながり、物語は複雑に絡み合いながら突き進んでいく。
ジェットコースターのようなスピード感に振り落とされそうになりながら、最後は伏線がきっちり回収されてスッキリ。
きつめの自虐ユーモアもイギリスらしく、恋愛抜きなのもよいポイント。
やんちゃな男の子たちが、大勢でじゃれあっているようにも見える犯罪映画。
個性的すぎるキャラクターの中に、お気に入りを見つけるのもよし。
20年以上前の作品ですが、演出の斬新さは今でも色あせていません。