レクター捕獲に失敗したメイスンは、レクターをおびき出すために、クレンドラーを大金で買収し、レクターが気に入っているクラリスを謹慎処分に陥れます。
落胆するクラリスにレクターは接触を試み、自宅に侵入した後、電話で駅内のデパートに呼び寄せます。
メリーゴーランドでクラリスの髪を触ったレクターは、プレゼントとしてGUCCIの靴を置いて去ります。
クラリスを見張っていたメイスンの部下は、予想通り姿を見せたレクターを逃さず、スタンガンで気絶させて拉致します。
ついにレクターを捕らえたメイスンは、どう猛な豚たちに足から生きたままレクターを食べさせるという残忍な復讐を決行しようとします。
クラリスは単身でメイスン宅に乗り込み、拘束されていたレクターを救出しますが、肩に銃弾を受けて気絶します。
処刑の見物に来たメイスンは思いもよらぬ事態に怒り、主治医コーデルに豚たちの中に落ちた銃を取って来いと命令します。
恐れるコーデルはそれを断り、逆にレクターに「メイスンを突き落とせ。俺のせいにしろ」と促され、その通りにしました。
ラストシーン
クレンドラーは休暇をとって別荘に入りますが、そこに侵入していたレクターに薬をかがされて気を失います。
クラリスは麻酔から目覚め、よろけながらも警察に通報し、ダイニングに移動します。
そこではレクターがクレンドラーを座らせ、食事の用意をしていました。
レクターは、なぜか朦朧としたクレンドラーの野球帽をとり、頭の切り口にナイフを入れて頭蓋骨をぱっくり取ってしまいます。
レクターは脳の一部を切り取り、クレンドラーに食べさせました。
クラリスはあまりの光景に吐き気をもよおしながらも、そのまま調理場に移動したレクターを追い、隙をついて自分とレクターの腕に手錠をかけます。
レクターは「面白いことをするじゃないか」と笑い、「手首の上がいい?下かな?かなり痛いぞ」と言って包丁を振り下ろしました。
警察が到着したとき、すでにレクターは逃亡しており、腕を切られていない様子のクラリスは湖のそばで遠くに上がった花火を見つめていました。
旅客機内でレクターは、自ら持ち込んだ料理を食べようとしています。
隣の席の少年がほしがると、レクターは優しく灰色の物体を分け与えるのでした。
原作との違い
映画版では、クラリスは朦朧とする意識の中でも忠実に職務を遂行しようしました。
原作では、クラリスは傷を治療された後、レクターに解けることのない暗示をかけられて洗脳され、一緒に暮らすことになります。
そして彼女を訪ねてきたクレンドラーは、クラリスとレクターと会話をしながら、自身の脳を2人に食べられ、知能が低下していき殺されます。
レクターは幼いころに妹が殺害されて、自分も知らぬうちに妹に肉を食べさせられていたことがトラウマになっています。
その妹の面影をクラリスに求めており、一方クラリスも幼いころに殉職した父の死をレクターの治療によって乗り越え、共存関係を築くのです。
その後、レクターとクラリスは共に失踪し、数年後に南米で目撃されました。
当初、映画版の脚本もそのようになっていたのですが、「羊たちの沈黙」でクラリス役を務めたジョディ・フォスターは、本作のオファーを受けた際に「クラリスが洗脳されて終わる」という結末を知り、降板したと言われています。
また、代役となったジュリアン・ムーアもこのラストには納得せず、結果として制作サイドが妥協をして原作とは大きく内容が異なる結末となりました。
いかがでしたか?
映画をご覧になったあと、一度小説を手に取ってみるのもいいかもしれませんね。