5.ナイル殺人事件(1978)-7.3
ピーター・ユスティノフがエルキュール・ポワロ役で初出演した作品であり、ナイル川を下るパドル船を中心に物語は進行していきます。
エジプトの名所をいくつも巡るこの船の旅程が現実的にはほぼ不可能ではないか、という指摘もありますがそれはここでは置いておくとして。
映画は、新婚旅行のために乗船した女性が殺害され、船には夫の元恋人が乗り合わせていた…というところから始まります。
ポワロの反対や警告をよそに、船を降りなかった元恋人をはじめ、他の乗客にもこの裕福な女性を殺害する動機があることが明らかになる中、船では新たな殺人が起こり、ポワロの捜査は難航していき…。
4.オリエント急行殺人事件(1974)-7.3
ポワロ役を務めた俳優の中で、唯一アカデミー賞にノミネートされたアルバート・フィニー。
彼の演技が特に高く評価されたのが、1974年の『オリエント急行殺人事件』です。
イングリッド・バーグマン、ショーン・コネリー、ローレン・バコール、ヴァネッサ・レッドグレイヴなど、豪華なキャストが出演しています。
アカデミー賞では、主演のフィニー、助演のバーグマン、脚色、作曲、撮影、衣装の6部門にノミネートされ、グレタ・オールソン役を務めたイングリッド・バーグマンが助演女優賞を受賞しました。
原作者であるクリスティは、この映画を「よくできている」と評しましたが、唯一の間違いは、フィニー扮するポワロの口ひげが小さすぎるという点でした。
3.ミス・マープル/夜行特急の殺人(1961)-7.4
マーガレット・ラザフォードがミス・マープル役で初出演した映画である『ミス・マープル/夜行特急の殺人』。
電車の中で女性が首を絞められているところを目撃したミス・マープルは警察に行くも、証拠不十分で門前払いを食らってしまいます。
独自の調査に乗り出すことにした彼女は、女性の死体があると思われる屋敷で仕事をもらい、屋敷内のさまざまな容疑者に聞き込みをすることに。
そしてついに、馬小屋で女性の遺体を発見したことで、警察が捜査に乗り出すことになります。本作をはじめとするシリーズでのマーガレット・ラザフォード演じるミス・マープルは、ファンからもかなり高い人気を誇りました。
2.そして誰もいなくなった(1945)-7.4
クリスティのベストセラー小説の映画化第一作目である1945年の『そして誰もいなくなった』。
物語は、イランの砂漠にあるホテルに宿泊中の10人が殺人の容疑をかけられたことから始まります。
10人がそれぞれ過去に追及された行為は、いずれも法的には殺人と定義されるものではなかったため、法的には殺人の責任を問われないものでした。
それぞれの寝室には額装された「10人のインディアン」のコピーが飾られ、ダイニングルームには10人が輪になっている彫刻が置かれており、宿泊客の一人が死んだときに彫刻も一つ消えたことをきっかけに、状況はどんどんエスカレートしていくことに…。
1.情婦(1957)-8.4
クリスティの短編小説『検察側の証人』をビリー・ワイルダー監督が映画化。
遺言で自分を唯一の相続人にした未亡人を殺害した罪に問われた男性レナードをタイロン・パワーが演じ、これが最後の出演作となりました。
状況証拠が彼を有罪に導いているにもかかわらず、レナードの無実を信じる弁護士を、チャールズ・ロートンが演じています。
また、レナードの妻役にはマレーネ・ディートリッヒが出演しており、本作は第30回アカデミー賞にて、作品賞、監督賞、主演男優賞(チャールズ・ロートン)、助演女優賞(エルザ・ランチェスター)、編集賞、録音賞の6部門にノミネートされました。
参考記事:https://screenrant.com/best-agatha-christie-movie-adaptations-according-to-imdb/